【畑】ワインブドウの剪定-ギヨ仕立て

畑仕事

こんにちは!
先日掲載した記事「剪定とは?」に続き、剪定の話題です。
こちらの記事では、シャルドネやピノノワールで用いられることが多い、ギヨ仕立て(長梢剪定)について書きたいと思います。

ギヨ仕立てとは


ギヨ仕立てでは、毎年、バゲットとクルソンという2種類の枝を確保します。
シングル・ギヨの場合は各1本ずつ、ダブル・ギヨの場合は各2本ずつ確保します。
 ①バゲット:今シーズンに実を着ける枝(80~100㎝くらい)
 ②クルソン:来シーズンのバゲットを確保するための枝(5cmくらい)

①バゲットの選び方としては、鉛筆+αくらいの太さであること、ワイヤー下15~20㎝くらいの範囲から出ていること、虫等による損傷がないことを目安に選びます。
また、バゲットの長さは、以下のように決定します。

昨シーズンの枝が細い、少ない場合:
 バゲットを短くし芽の数を減らすことで、より良い生育をさせてあげる。
昨シーズンの枝が太い、多い場合:
 バゲットを長くし芽の数を増やすことで、エネルギーを多くの芽に分散させ、樹勢を抑えて実の成熟を促す(枝よりも実に栄養を届かせる)。

②クルソンは、バゲットの反対側の幹から出ていること、なるべく低い位置でつくることを心がけます。ブドウ樹には幹の両サイドにそれぞれ独立した樹液の流れがあります。バゲットとクルソンが幹の片側だけに偏っていると、幹の反対側は樹液が流れなくなり枯死していきます。
また、クルソンを低い位置でつくる理由は、ワインブドウの垣根栽培では樹高を60~70㎝程と低く保つことが必要であるためです。

栽培家の中には、クルソンをつくらずバゲット1本主義の方もいます。しかし、バゲット1本主義だと、ブドウの生理として幹近くの芽の発芽率が悪いため、たちまち樹高が高くなってしまいます。
そうなると樹高を下げるために、樹を大きく切り返すことになり、樹にはたちまちに枯れ込みが巣くっていきます。

メリット&デメリット

コルドン仕立てと比べて、ギヨ仕立てには以下のようなメリットがあります。
 ・樹勢や収量の調整が柔軟にできる
 ・樹皮の下に潜む虫や病原菌を、毎年バゲットを更改することで除去できる

一方で、以下のようなデメリットもあります。
 ・毎年、幹近くに剪定傷をつくるため、下手な剪定をすると樹液の流れを悪くし、果実品質ばらつきと樹の寿命を低下させる(右の写真参照)
 ・剪定に時間がかかる(コルドン仕立ての1.3倍くらいのイメージ)

過去の剪定で枯死した中心部

さらに発展

シングル・ギヨ仕立ての発展形で、ギヨ・プサールという仕立てがあります。
この仕立ては、ギヨ仕立てのデメリットである“剪定傷“をなるべく集積させ、樹液の流れを円滑に保つためのものです。シングル・ギヨと異なる点は、クルソンを幹の両サイドに1つずつ確保する点です。枝の選定が難しい分、ギヨ仕立てよりも少しだけ時間がかかります。
なお、ヨーロッパではギヨ・プサールが推奨されているそうです。詳細はまた別の機会に…

ギヨ・プサール仕立て

私のワイン畑では

私はピノノワールをメインで栽培していますので、シングル・ギヨまたはギヨ・プサールで仕立てを行う予定です。特に、ギヨ・プサールは樹に優しい剪定なので、積極的に取り入れたいと思います。

剪定は伝えるのが難しい!

せっかくここまで読んでいただいたのに、あまり上手にお伝えできていないかもしれません。


ワインがお好きな方は、ワイナリー巡りなどでワイン畑を訪れる機会があるかと思いますが、剪定の知識を持っているとより一層、ワイン造りが興味深く感じられると思います。
現在はワイナリーでフルタイムで働いているため、情報発信に費やせる時間が限られているのですが、2023年1月にはワインブドウ農家として独立する予定なので、剪定含めてよりワイン造りに興味を持っていただけるようにしていきたいと思います。

次回の記事では、醸造のトピック(バトナージュや補酒)について書こうと思います。
引き続き、どうぞよろしくお願いいたします!

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